認知症と共に生きる社会を、ともにつくる

ヴィータ・ネクサスタワーが目指すのは、認知症の予防と支援を「単発のイベント」から、いつでもつながれる“続くインフラ(常時稼働の基盤)”へと転換することです。

特定の地域に限らず、オンラインの特性を活かして、僻地や遠隔地、国境を越えた場所からでも、必要な支援・学び・つながりにアクセスできる状態をつくります。距離や地理条件が支援の壁になる時代を終わらせ、すべての人が「どこにいても孤立しない」社会の実現を目指します。

プラットフォームの概要

ヴィータ・ネクサスタワーは、oVice を基盤にした 2D メタバース型の認知症ケア&サポート・プラットフォームです。単発の講座や時間固定のビデオ会議とは異なり、いつでも立ち寄れる「居場所」として機能する常時稼働のオンライン空間に、地域のリアル拠点を接続します。

先端技術を駆使して研究知見を現場に根付かせ、実際に機能する形へと翻訳するプラットフォームとして、予防(MCI を含む)/当事者支援/家族支援/学びを、一気通貫の導線として統合します。

1F から 5F までの導線は、予防・当事者支援・家族支援・学びを分断せず、ひとつの流れとしてつなぐことで、これまで点在してきた地域資源を束ね直します。薬局、病院、介護施設、地域団体、企業、専門職——それぞれが役割を担いながら、一つの連携された支援ストリームとして機能する。これがタワーの中核構造です。

解決したい社会課題

課題① 支援・相談につながりにくい(相談導線の弱さ)

  • 認知症へのスティグマが根強く、家族が主な担い手となることへの過度な依存が生まれやすい
  • 支援につながる道筋が不明確で、「相談したいが、どこに行けばよいかわからない」という状態が起きている

課題② 拡張可能な支援インフラ(ソフト)の不足

認知症カフェ等では、会場や運営費といった基盤(「ハード」)は確保できても、支援を継続・拡張するための中核要素(「ソフト」)が不足しがちです。

  • 対話や学び、プログラム体験の設計(参加者が続けたくなる構成・場づくり)
  • ピアサポートと専門職、地域資源をつなぐ仕組み(相談先・支援先への橋渡し)
  • 参加と継続を支える運用の仕組み(離脱を防ぎ、継続が途切れない設計)

課題③ デジタル・ディバイド

機器の準備(アクセス)や操作のつまずき、テクノロジーへの心理的不安といった「小さな摩擦」が積み重なることで、参加のハードルが上がり、関与(エンゲージメント)と継続率(リテンション)が低下します。

オンラインは単なる「配信ツール」としてではなく、継続を支える構造(予定の見える化、参加のしやすさ、戻りやすさ、支援の接点など)をプログラム自体に埋め込んだ「環境」として設計する必要があります。

研究知見の現場実装

近年の研究が示す通り、多因子介入は認知症の予防や進行抑制において有望なアプローチです。しかし成果を左右するのは、介入の内容がどれだけ高度かではなく、参加の実施量と継続性です。どれほど優れたプログラムでも、参加が途切れれば効果は限定的になります。

さらに、継続を「本人の意志や努力」に任せるだけでは限界があり、社会実装としてはスケールしません。継続できるかどうかは、仕組みと環境の設計によって決まります。

そこでヴィータ・ネクサスタワーでは、栄養(食事)・運動・認知トレーニング・血管リスク管理・社会交流を組み合わせた多因子介入を、実行しやすく無理なく続けられる形で日常のルーティンに組み込みます。定期セッション(予定)・参加しやすい「場」・継続を支える伴走支援といった「構造化」を加えることで、長期的な継続(アドヒアランス)を高めるプログラム設計を実現します。

※ 知見の主な参照:WW-FINGERS の枠組みで蓄積されてきた多因子介入研究(FINGER / U.S. POINTER / J-MINT / J-MINT PRIME Tamba など)

主な特長・設計思想

特長① 「続けられる設計」を空間そのものに埋め込む

今日の予定が一目でわかり、迷わず参加でき、行けばすでに誰かがいて、途中で離れても自然に戻れる。こうした継続の条件を、空間設計そのものに埋め込んでいます。継続を「本人の努力」だけに頼らず、仕組みと環境の設計で支えるプラットフォームです。

特長② 「社会交流」を組み込み要素として成立させる

ビデオ会議のような 1 対 1・1 方向の「点」のつながりではなく、居場所型の「面」のつながりを空間設計として実装します。短時間の雑談や立ち話、偶発的な声かけが自然に起こる環境をつくります。

特長③ リアル拠点を「デジタル・リテラシー・ハブ」にする

薬局などのリアル拠点に PC 環境を整え、スタッフがログインや初回参加をサポートします。デジタルに不慣れな方が取り残されないよう、最初の参加やログインをスタッフが支援できる入口を用意します。慣れてきた方は自宅から一人で利用でき、24 時間 365 日のアクセスと支援につながります。
連携拠点:薬局・ジム・地域包括支援センター・病院・介護施設・市役所・公民館など

特長④ AI・デジタル連携による段階的に拡張できる設計

必要に応じて AI やデジタル機能を追加しながら、将来的に拡張できる設計です。

  • ナレッジ参照型 AI チャットボットによる 24 時間の一次案内(根拠に基づく回答)
  • 医療機関・薬局とのオンライン接続(制度・運用要件に準拠して実装)
  • デジタル回想法による当事者・家族・支援者の共同参加

5 階より上には、企業や行政による独自フロアをはじめ、多様なプログラムやエンターテインメント、オンライン医療・オンラインリハビリなどが段階的に拡張されていきます。技術進化、とりわけ近年急速に進む AI を基盤に、スマートグラスがもたらす VR/AR 仮想空間とも接続し、将来的にはデジタルツインの世界観がタワー内で共有され、現実とデジタルがよりシームレスに重なっていくことを想定しています。

特長⑤ セグメント導線と企業連動フロアによる効率的な導線設計

対象者(当事者/家族/MCI・予防関心層/医療・介護専門職)をセグメントし、それぞれに適した情報・プログラムへ迷わず誘導します。
メインフロアの上階に企業のオリジナルフロア(企業連動フロア)を設置することで、「学び・交流」から「サービス利用・相談」への自然な流れを設計できます。押しつけにならず、支援の継続を損なわない形で価値提案が可能になります。

支援の一気通貫導線

「受付 → 家族支援 → 当事者支援 → 予防 → 最新情報」までを、分断のない一つの流れとして統合します。認知症の「予防」から「当事者支援」「家族支援」「学び」までを、ひとつの切れ目のない導線として設計することで、利用者がどのフェーズにいても適切な支援にスムーズにつながれます。

これまで点在してきた地域資源を束ね直し、薬局・病院・介護施設・地域団体・企業・専門職それぞれが役割を担いながら、一つの連携された支援ストリームとして機能する構造を実現します。

ヴィータ・ネクサスタワーは、認知症とともに生きる社会を、現場から、そして仕組みから前に進めるプラットフォームです。